「通い放題」の中途解約で精算されるのは有償の回数だけです|国民生活センターの注意喚起と、4社の公式表記を突き合わせました

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「通い放題」「期間・回数無制限」「永久保証」と書かれた脱毛のコースを、途中でやめたらいくら戻るのか。

国民生活センターが2021年12月23日に注意喚起を出していました。そこに、答えになる一文があります。

脱毛エステの中途解約では「すでに提供されたサービスの対価」が請求されるが、精算の対象となるのは有償の期間・回数であり、原則、無償部分には発生しない。

つまり「通い放題」のうち、精算に使われるのは契約書面に書かれた「有償の回数」だけです。無償とされている部分は、何回残っていても精算されません。

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1. 相談は年間2,800件を超えていて、半分が解約の話です

国民生活センターの資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられる脱毛エステの相談は年間2,800件を超えています。そのうち解約が関わる割合は、2020年度で52.1%、2021年度(11月30日まで)で50.9%でした。

そして「近年は男性がひげ脱毛等に通いトラブルとなるケースも増加しています」とも書かれています。

相談が多いのは、とくにこういうコースです。

「通い放題」「○年間脱毛し放題」「期間・回数無制限」「永久保証」「△年施術保証」などの長期間の施術を前提とするコース

2. 契約は「有償の部分」と「無償の部分」に分かれています

ここが仕組みの中心です。

長期間にわたって施術を受けられるコースなどは多くの場合、契約上、「有償で施術を受けられる期間・回数」と「無償で施術を受けられる期間・回数」とに分かれている。

広告に出ているのは全体の期間です。精算に効くのは、そのうちの有償部分だけです。国民生活センターは、その2つにずれがあると指摘しています。

通い放題で施術を受けられる期間全体からみると有償部分が少なく、無償部分が多くを占める契約になっている場合がある。消費者に実際の契約内容を十分に認識させていないため「思った以上に中途解約可能な期間が短かった」というトラブルが生じている。

3. 相談事例:40万円で1回受けて、10万円請求された

資料に載っていた事例です(2021年3月受付・20歳代・女性)。

インターネットで評判の良かった脱毛サロンで、「40万円支払えば永久に脱毛が受けられる。これ以上お金はかからない」と説明され、個別クレジットの分割払いで契約。1回目の施術を受けたあと解約を申し出たところ、施術代8万円と違約金2万円で合計10万円を請求されました。

契約書を見ると、こう書かれていたそうです。

期間は1年間、施術は5回までが有償、6回目以降は無償

「永久」と説明された契約の、有償部分は5回でした。40万円を5回で割ると1回8万円です。請求された施術代8万円と一致します。

ほかにも、こういう相談が挙がっています。

  • 施術有効期間が3年間と言われ契約したが中途解約ができる期間は1年だった
  • 3年間通い放題コースを契約し中途解約したら有償部分は1回のみと返金を断られた
  • 解約になって初めて「18回程で効果が出る施術だが返金対象は8回まで」と分かった

1つ目は、有効期限を過ぎると中途解約ができなくなるという話とつながっています。

4. 公式サイト側は、どう書かれていたか

ここからは、私たちが各社の公式サイトを読んだ範囲です。国民生活センターが問題にした構造が、公式の表記からも見えました。

リンリン|通い放題の金額が、テキストに入っていません

2026年10月に見たキャンペーンページは「全身脱毛(顔・VIO込み)がずーっと通い放題!」とあるだけで、金額が1円も書かれていませんでした。数字は画像の中にあり、コピーも検索もできません。有償の期間・回数についての記載も見当たりませんでした(詳しくはこちら)。

ジェイエステティック|「40回」は全身を40周する回数ではありません

全身フリーチョイス40回脱毛が40回で99,000円。単純に割ると1回2,475円です。ただしこの「40回」は部位ごとの回数の合計で、全身を1周するのが40回ではありません。同じページに部位別の単価(Sパーツ1〜3回2,750円、Lパーツ1〜3回5,500円など)も出ています。

精算では「購入時における1回当たりの料金」を使います。その1回が2,475円なのか部位ごとの単価なのかで、受けた分の金額が変わります。公式サイトからは決まりませんでした(詳しくはこちら)。

ダンディハウス|時間制なので、割る回数がありません

美容電気脱毛60分24,200円という時間制です。コースの総額は「お一人お一人異なります」と書かれていて、公式サイトには出ていません。別に入会金33,000円(2年間有効)がかかります(詳しくはこちら)。

Le:YELL|回数制で、コース後の1回の金額まで出しています

対照的な例です。1回・4回・8回・12回の総額がすべて公開されていて、「12回目以降 施術何回でも980円」のようにコースが終わったあとの金額まで部位ごとに書かれています。中途解約はよくある質問に「コースの回数が残っていれば、残回数分のご返金」とあります(詳しくはこちら)。

国民生活センターのいう「有償の期間・回数と単価」が、契約前に読み取れる形になっている例です。

5. 契約書面で確認する2つ

国民生活センターのアドバイスは、はっきりしています。

必ず契約書面で有償の期間・回数と単価を確認しよう

聞くことは2つです。

1. このコースのうち、有償の期間と回数は何か月・何回ですか。書面のどこに書かれますか。

2. その1回当たりの単価はいくらとして計算されますか。

「通い放題」と言われた期間ではなく、有償の期間・回数を聞くのがポイントです。精算に使われるのはそちらだけだからです。カウンセリングで契約しないで帰るための準備に、書面のもらい方を書きました。

6. 「月々○千円〜」の意味

もう1つ、同じ資料のアドバイスにあります。

「月々○千円~」は月払い(都度払い)ではなく、クレジットの分割払金かもしれません。支払いが続く期間・回数も意識しよう

月額制と、総額をクレジットで分割した月々の支払いは別物です。前者は解約すればそこで止まりますが、後者は解約しても支払いが続くことがあります。先ほどの相談事例も個別クレジットの分割払いでした。月額制・都度払い・回数制で何が変わるかに整理しています。

国民生活センターは、長期契約が心配なときは都度払いができるコースやエステ店を選ぶことも挙げています。


まとめ

  • 中途解約の精算の対象になるのは有償の期間・回数だけ。無償部分には原則発生しない(国民生活センター)
  • 「通い放題」の契約は有償部分と無償部分に分かれているのが普通で、広告に出る期間と有償部分にずれがある場合がある
  • 相談事例では、40万円の「永久」契約の有償部分が5回。1回受けて10万円請求された
  • 脱毛エステの相談は年間2,800件超、うち約半分が解約。男性のひげ脱毛のトラブルも増えている
  • 公式サイトを見た範囲では、リンリンは通い放題の金額がテキストになく、ジェイエステティックの「40回」は部位ごとの回数の合計、ダンディハウスは時間制で総額の記載がない
  • Le:YELLは1回・4回・8回・12回の総額とコース後の単価まで公開していて、有償の回数と単価が契約前に読み取れる
  • 聞くのは「有償の期間・回数」と「その単価」の2つ。「月々○千円〜」はクレジットの分割払金かもしれない

出典と取得日

  • 国民生活センター「脱毛エステの通い放題コースなどでの中途解約・精算トラブルに注意!」(2021年12月23日公表):相談件数と解約の割合、有償・無償の構造、精算の対象、相談事例、消費者へのアドバイス。2026年10月18日に確認
  • リンリン(happyrinrin.com):2026年10月7日に確認
  • ジェイエステティック(j-esthe.com):2026年9月12日に確認
  • ダンディハウス(dandy-house.co.jp):2026年10月18日に確認
  • Le:YELL(mens-leyell.jp):2026年10月18日に確認

比較サイト・まとめサイトは使っていません。各社の表記は変わります。この記事の見直しは毎月中旬に行います。

この記事は公表資料と公式サイトに出ている条件の整理で、効果について述べたものではありません。法的な判断をするものでもありません。契約でもめたときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。