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脱毛サロンの契約には、クーリング・オフの制度がかかります。
これは各社のサービスではなく、法律で決まっていることです。ただし、その根拠が公式サイトのどこに書かれているかは、会社によってかなり違いました。
この記事では、消費者庁が公表している制度の中身と、各社の公式サイトの書き方を並べました。
制度の内容は2026年9月12日に消費者庁「特定商取引法ガイド」で確認しました。各社の記載も同日時点のものです。
制度:エステティックは「特定継続的役務提供」の対象です
特定商取引法には「特定継続的役務提供」という枠があります。長く通うタイプのサービスで、途中でやめたくなることが多いものを対象に、クーリング・オフと中途解約を認める制度です。
対象は7つで、消費者庁のサイトにこう並んでいます。
| 役務 | 期間の条件 | 金額の条件 |
|---|---|---|
| エステティック | 1月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 美容医療 | 1月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 語学教室 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 家庭教師 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 学習塾 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| パソコン教室 | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
| 結婚相手紹介サービス | 2月を超えるもの | 5万円を超えるもの |
エステティックが1番目に入っています。 光脱毛のサロンはここに当たります。
条件は「1月を超える」かつ「5万円を超える」の両方です。片方でも満たさない契約は、この制度の対象外になります。
前の記事で並べたコースで見ると、ディオーネ(12回 237,600円・435,600円)とジェイエステティック(40回 99,000円)は金額の条件を超えています。一方、RiNRiNの全身脱毛5回 45,000円は5万円を超えていないため、金額の条件を満たしません。
総額が5万円以下の契約や、1月以内に終わる契約は、クーリング・オフと中途解約の制度の対象外になりえます。まず自分の契約が対象かどうかを、総額と期間で確認してください。
8日以内なら、理由なしで解除できます
法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内
この期間内なら、書面または電磁的記録による通知で契約を解除できます。理由は要りません。
大事なのは、起算日が契約した日ではなく「法律で決められた書面を受け取った日」だという点です。書面が交付されていなければ、8日は始まりません。
8日を過ぎても、中途解約ができます
ここが知られていない部分だと思います。クーリング・オフの期間を過ぎても、途中でやめられます。 そして、そのときに事業者が請求できる金額に法律で上限があります。
消費者庁の記載は次のとおりです。
| 解約のタイミング | 事業者が請求できる額の上限 |
|---|---|
| 役務提供開始前 | 2万円 |
| 役務提供開始後 | 提供済みの役務の対価 + 2万円または契約残額の10%のいずれか低い額 |
「2万円または契約残額の10%のいずれか低い額」という書き方なので、残額が20万円を超えていても、上乗せは2万円で止まります。

さらに、清算の考え方についてもこう書かれています。
既提供部分の対価の算出は、契約締結時の単価を上限とし、解約時のみに高額な単価を定めていても無効となります。
契約時より高い単価で消化分を計算することはできない、という意味です。「1回あたりの正規料金はもっと高いので」という計算をされた場合、ここが根拠になります。
ただし、いつまでも解約できるわけではありません
中途解約に期限の条件をつけて書いている会社があります。ローランドビューティーラウンジの特定商取引法に基づく表記では、計算式の下にこの注記がついています。
※役務の提供が完了した契約及び有効期限が過ぎた場合は、中途解約できませんのでご注意ください。
ダンディハウスのよくあるご質問にも、同じ趣旨が書かれています。
クーリングオフ期間を経過した後でも、有効期限内であれば中途解約ができます。
どちらも、その有効期限が何か月なのかは公式サイトに書いていません。ローランドビューティーラウンジの「役務提供の期間」の欄は「ご契約内容により異なります」、ダンディハウスは「期間や料金はお一人お一人異なります」です。
消費者庁のガイドの中途解約の説明には「有効期限内であれば」という限定が書かれていないのですが、東京都消費生活総合センターは「あくまで『契約期間中の中途解約』です。期間が過ぎてしまったものはできません」と回答しています。原則としては、サロンが書いているとおりです。
ただし同じ回答に続きがあって、その期間で契約した回数を消化できたのか、予約が取れる状態だったのか、契約時に有効期限の説明があったのか、が問題になるとされています。期限切れでも消費生活センターに相談する余地はあります。
ただ、確かめる方法はあります。「役務の提供期間」は、契約前に渡される概要書面と、契約時に渡される契約書面の、両方の必須記載事項です。決める前に、文字で受け取れます。8社ぶん読み比べた結果は別に書きました。
各社の公式サイトに、これがどう書かれていたか
制度は全社共通です。違うのは、書いてあるかどうかと、どこに書いてあるかでした。
計算式まで書いていた例
ローランドビューティーラウンジは、特定商取引法に基づく表記のページに計算方法まで載せていました。
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| クーリング・オフ | 契約書面を受領した日から起算して8日以内であれば書面または電磁的記録による通知で契約を解除できる |
| 中途解約(開始前) | 支払総額 − 2万円 |
| 中途解約(開始後) | 支払総額 − 回数消化料金(購入時における1回当たりの料金×消化回数)− 解約損料 |
| 解約損料 | 契約残額(未消化役務残高)の10%(但し2万円以内) |
| 返金方法 | 指定銀行口座への振込(振込手数料は利用者負担) |
法律の上限と一致しています。 契約前にいくら戻るかを自分で計算できる書き方です。
この計算式に実際の料金を入れて、受けた回数ごとの精算金を出したものを別の記事にしました。ヒゲ脱毛5回では、開始前より1回受けたあとのほうが多く戻る計算になります。
料金ページの末尾に書いていた例
ジェイエステティックは、独立した特定商取引法のページは見当たりませんでしたが、料金ページの末尾に記載がありました。
契約書受領日から8日以内であればクーリングオフ(契約の解除)が可能ですのでご安心ください。また、クーリングオフ対象期間を過ぎた場合であっても、役務提供期間内に限り、初回施術前・施術後に関わらず中途解約が可能です。
8日と、期間経過後の中途解約の両方に触れています。 清算金の計算式は書かれておらず、問い合わせ先の電話番号が案内されていました。
よくある質問に書いていた例
ダンディハウスは、よくある質問のページに記載がありました。
クーリングオフはご契約日から8日以内であればお受けできます。クーリングオフ期間を経過した後でも、有効期限内であれば中途解約ができます。
返金額の計算方法は書かれていませんでした。
なお、この記載は「ご契約日から」となっていますが、法律上の起算日は契約書面を受け取った日です。契約日と書面の交付日が違う場合は、法律の定めが優先します。
「手数料あり」とだけ書いていた例
ディオーネは、よくある質問にこうありました。
解約は可能となっており、返金も行っております。(※手数料あり)
手数料の金額は書かれていません。 上限は法律で決まっているので、上限を超えることはないはずですが、実際にいくらなのかは事前には分かりませんでした。
この「手数料あり」が実際いくらまでになるのかは、コース料金と法律の上限から計算できます。ディオーネのまるごと全身脱毛12回コース(435,600円)で試算したものを別の記事に出しました。受けた回数によって、20,000円側と残額10%側のどちらが効くかが入れ替わります。
同じ公式サイトの中でクーリング・オフの起算日が2通りに書かれていた例もありました。ジェイエステティックは料金ページが「契約書受領日」、よくあるご質問が「契約日」です。そちらの記事に整理しました。
記載を見つけられなかった例
RiNRiNとキレイサローネについては、中途解約・返金についての記載を公式サイトで見つけられませんでした。特定商取引法に基づく表記のページも見当たりませんでした。
RINXも、よくある質問と契約に関するページを見た範囲では、クーリング・オフと中途解約の記載を確認できませんでした。
書いていない=制度がかからない、ではありません。 特定継続的役務提供の要件を満たす契約なら、公式サイトの記載にかかわらず制度は適用されます。ただし、契約前に条件を読めるかどうかは別の話です。
公式サイトに特定商取引法に基づく表記のページ自体が見当たらず、料金も画像でしか出ていない会社もありました。その記事に、6社の公開度を並べた表を置いています。
だから、契約書面をその場で確認します
制度の起算日が「法律で決められた書面を受け取った日」である以上、その書面を受け取ったかどうかが起点になります。
確認する項目は4つです。
- 概要書面と契約書面を受け取ったか
- 書面に、クーリング・オフができる旨と期間が書かれているか
- 中途解約したときの清算方法が書かれているか
- 役務提供期間(いつまでに通い終える契約か)が書かれているか
4番目が抜けやすいところです。中途解約は「役務提供期間内に限り」と書いている会社があるように、期間が終わったあとは対象外になります。回数が残っていても期間が過ぎていれば同じです。
分割払いにした場合は、契約が2つになります
信販会社の分割にした場合、サロンとの契約と、信販会社との契約は別です。
クーリング・オフの通知は、サロンだけでなく信販会社にも出す必要がある場合があります。契約時に、どちらにどう連絡するのかを聞いておくと確実です。
前の記事で見たとおり、脱毛サロンの分割は24回・60回といった長さになることがあります。支払いが残る期間と、通える期間はイコールではありません。
期間が過ぎたあとについては、有効期限を過ぎたら中途解約できないと書いている会社が2社あります。別に読み比べました。
まとめ
- エステティック(光脱毛のサロン)は特定継続的役務提供の対象。 ただし「1月を超える」かつ「5万円を超える」の両方を満たす契約に限る。総額5万円以下のコースは対象外になりえる
- 書面を受け取った日から8日以内は、理由なしで契約を解除できる
- 8日を過ぎても中途解約できる。 事業者が請求できる額は、開始前が2万円、開始後が提供済み分+(2万円か契約残額の10%の低いほう)が上限
- 消化分の単価は契約時の単価が上限。解約時だけ高い単価を使うことは認められない
- 公式サイトに計算式まで書いている会社もあれば、記載を見つけられない会社もあった
- 分割にすると信販会社との契約が別に立つ
制度がある分、読む項目ははっきりしています。8日・清算方法・役務提供期間の3つを契約書面で確認すれば、あとから話が食い違いにくくなります。
なお、料金の形そのものが違えば、この精算が起きないこともあります。メンズ脱毛の月額制・都度払い・回数コースを読んだ記事で、最低利用期間も解約金もないと明記していた例を見ています。
解約の条件を計算式まで書いていたサロンを挙げるなら
この記事で見た中で、中途解約の精算をどう計算するかまで公式サイトに書いていたのは、ローランドビューティーラウンジだけでした。「手数料あり」とだけ書いている例や、記載を見つけられなかった例があったなかで、計算の根拠が先に出ているというのは、契約前に総額を自分で確かめられるということです。
下が公式サイトへのリンクです。ここを経由して申し込みがあった場合、この記事に紹介料が入ります。そのうえで、ここを選ぶべきだとは書いていません。これは解約条件の書き方についての話で、料金が安いかどうかや、施術が合うかどうかとは別の話です。この記事で挙げた他の会社には、リンクを貼っていません。なお、同じ表記には「有効期限が過ぎた場合は、中途解約できません」ともあり、その有効期限の長さは公式サイトに出ていません。計算式を書いていることと、期限が分かることは別です。
記載は変わります。この記事の内容は2026年9月12日時点のものなので、申し込む前に公式サイトと、渡される契約書面の両方を確認してください。
7社ぶんの精算を計算して並べたものはこちらの記事にあります。式は1つなのに、入れる数字が公式から出てこない会社が3社ありました。
出典と取得日
すべて2026年9月12日に確認しました。
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」― 対象7役務と期間・金額の要件、クーリング・オフ8日、中途解約時の損害賠償等の上限額
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 事例(エステティックサロンの中途解約の清算金額)」― 既提供部分の対価の算出は契約締結時の単価を上限とする旨
- ローランドビューティーラウンジ(roland-bl.jp/tokushoho)/ジェイエステティック(j-esthe.com/price/)/ダンディハウス(dandy-house.co.jp/guide/faq/)/ディオーネ(datsumousalon-dione.jp/faq/)/RiNRiN(happyrinrin.com)/キレイサローネ(kireisalone.jp)/RINX(mens-rinx.jp/faq/contract)
制度は改正されることがあります。最新の内容は消費者庁のサイトで確認してください。
この記事は一般的な情報の整理で、個別の契約についての法的な助言ではありません。契約でもめたときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。
