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脱毛サロンを途中でやめたとき、いくら戻るのか。
計算式は法律で決まっています。すでに受けた分の対価+(20,000円か契約残額の10%の低いほう)までが、サロンが請求できる上限です。残りが戻ります。
式は1つなのに、7社ぶん計算してみたら、そのうち4社は計算が始まりませんでした。「すでに受けた分の対価」を出すための1回あたりの金額が、公式サイトから決まらないからです。
公式サイトを7社ぶん読んで、計算できた会社と、できなかった会社を並べました。
先に結論
| 会社 | 1回あたりが決まるか | 精算の計算 |
|---|---|---|
| ローランドビューティーラウンジ | 決まる(公式が計算式を明記) | 公式の式どおりに出せる |
| ディオーネ | 決まる(12回コースのみ) | 法定上限から逆算できる |
| RINX | 決まる(コース別の総額と回数が公開) | 法定上限から逆算できる |
| dats! | — | 精算そのものが発生しない(月額制) |
| ジェイエステティック | 決まらない | 消化した部位で単価が変わる |
| ダンディハウス | 決まらない | 総額の記載がなく、料金が時間制 |
| リンリン | 決まらない | 通い放題に割る回数がない |
すべて2026年10月6日〜7日に各社の公式サイトで確認した記載をもとにした計算です。実際の精算は契約書面の定め方によります。
1. 法律が決めている式
エステティックサロンの契約で、1か月を超えて5万円を超えるものは、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたります。この契約は、消費者側からいつでも解除できます。理由の説明は要りません。
そのうえで、事業者が請求できる額に上限があります。
- まだ1回も受けていない場合 20,000円まで
- すでに受けている場合 受けた分の対価に加えて、20,000円か契約残額の10%か、低いほうの額まで
総額からこの上限を引いた残りが、戻る計算になります。制度そのものは別の記事に整理しました。
この式に入れるべき数字が3つあります。総額、受けた回数、そして1回あたりの金額です。前の2つは契約書と手帳で分かります。決まらないのは3つめです。
2. 計算できた会社:公式が計算式を書いている
ローランドビューティーラウンジ(RBL)は、特定商取引法に基づく表記のページに計算式が出ていました。
精算金=支払総額−回数消化料金(購入時における1回当たりの料金×消化回数)−解約損料
解約損料=ご契約残額(未消化役務残高)の10%(但し2万円以内)
「購入時における1回当たりの料金」と明記されています。公式サイトに1回あたりの金額も出ているので、そのまま計算できます。
| まるごと全身3回 255,200円(1回85,068円) | 精算金=戻る額 |
|---|---|
| 役務提供開始前 | 235,200円 |
| 1回受けた後 | 153,119円 |
| 2回受けた後 | 76,558円 |
そして計算していて、金額が逆転するコースを見つけました。
| ヒゲ5回 70,800円(1回14,160円) | 精算金=戻る額 |
|---|---|
| 役務提供開始前 | 50,800円 |
| 1回受けた後 | 50,976円 |
1回受けてから解約したほうが、176円多く戻る計算になります。開始前の控除が一律20,000円なのに対し、1回受けた後は「消化料金14,160円+残額の10%(5,664円)=19,824円」で、20,000円を下回るからです。
総額が20万円を下回るコースでは、こういう逆転が起きます。RBLの記事に3コースぶんの計算を出しました。
3. 計算できた会社:公式に出ていないので上限から逆算する
ディオーネは、よくある質問に「解約は可能となっており、返金も行っております。(※手数料あり)」の1行だけで、金額も式もありません。ただし12回コースの総額(435,600円)と1回あたり(36,300円)が料金ページに出ているので、法定上限から逆算できます。
| 受けた回数 | ディオーネ まるごと全身12回 435,600円 | RINX ALL全身14部位3回 178,000円 |
|---|---|---|
| 0回(開始前) | 415,600円 | 158,000円 |
| 1回 | 379,300円 | 98,667円 |
| 2回 | 343,000円 | 53,400円 |
| 3回 | 306,700円 | — |
| 6回 | 197,800円 | — |
| 9回 | 98,010円 | — |
ディオーネは7回目から上限の計算式が切り替わります。残額が200,000円のとき10%はちょうど20,000円なので、残額がそれより少なくなると10%側が効きます。12回435,600円だと、6回時点の残額が217,800円、7回時点が181,500円。ディオーネの記事に全回数ぶん出しました。
上の表はまるごと全身12回 435,600円のコースの数字です。コースの構成と総額は改定されることがあるので、計算する前にディオーネの公式サイトで、いま出ている総額と回数を確認してください。
RINXは回数が3回なので、2回目でもう10%側に入ります。総額が小さいコースほど早く切り替わります。RINXは当日キャンセルでも1回分が消化されるので、受けた回数が増えるのはこの精算にも効きます。
ディオーネには子ども向けの料金区分もあって、そちらは12回コースの総額が5万円を超えるかどうかで使える手続きが変わります。
4. 精算が発生しない会社
dats!(ダッツ)は月額制で、公式サイトに「最低利用期間なし・解約金違約金なし」と明記されています。先に払った総額がないので、中途解約の精算そのものが発生しません。
かわりに効くのが締め日です。20日までの申し出で当月末、21日以降は最短で翌月末。行かなかった月は月末で失効して繰り越せません。dats!の記事に、受付方法(電話のみは不可)まで整理しました。
メンズ脱毛dats!の公式サイトはこちらです。ここを経由して申し込みがあった場合、この記事に紹介料が入ります。そのうえで、dats!を選ぶべきだとは書いていません。店舗は大阪梅田店と東京新宿店の2店なので、通える範囲にあるかどうかが先の条件になります。
精算の計算をしたくない場合、そもそも総額を先に払わない形を選ぶという手があります。料金の形は月額・都度払い・回数制で分かれます。
5. 計算できなかった会社:消化した部位で単価が変わる
ジェイエステティックの全身フリーチョイス40回脱毛は、40回で99,000円です。単純に割ると1回2,475円です。
ところが同じ料金ページに、部位ごとの単価も出ています。
| 部位 | 1〜3回 | 4〜7回 | 8回〜 |
|---|---|---|---|
| Sパーツ | 2,750円 | 2,200円 | 1,980円 |
| Lパーツ | 5,500円 | 4,400円 | 4,290円〜 |
SパーツとLパーツで2倍以上違います。40回のうち10回を消化した時点で解約するとして、
- 1回2,475円で計算すると 24,750円が「受けた分の対価」
- Lパーツ(8回〜4,290円)で計算すると 42,900円
差は18,150円です。どちらが使われるかは、契約書面に「1回当たりの料金」がどう書かれているかによります。公式サイトからは決まりません。
ジェイエステティックはクーリング・オフの起算日がサイト内で2通りに書かれている会社でもあります。
6. 計算できなかった会社:総額が公開されていない/料金が時間制
ダンディハウスは、コース料金について公式サイトにこうあります。
お一人お一人異なります。体験時のカウンセリングでご説明いたします。
総額の記載がありません。式の1つめの数字が入りません。
さらに、公開されている料金が美容電気脱毛(60分)24,200円という時間制です。「1回」が何を指すのかが、回数制とは別の決め方になります。入会金が33,000円で2年間有効という点も、精算で「役務の対価」側か「上限20,000円」側かで戻る額が変わりますが、公式からは読み取れませんでした。
7. 計算できなかった会社:割る回数がない
リンリンの2026年10月のキャンペーンは通い放題で、しかも金額が公式サイトに1円も書かれていません(画像の中のみ)。
通い放題には、割る回数が存在しません。国民生活センターが公表している事例では、約40万円のコースを1回受けた時点で10万円を請求されたケースで、契約書面上の有償回数5回を分母に1回8万円として扱われています。
つまり通い放題では、契約書面の「有償の回数」が精算の分母になります。これが何回と書かれるかで、戻る額が決まります。契約前に確認する項目です。
なお、7社のほかに、コースが終わったあとの1回の金額まで料金表に出している会社が1社ありました。1回・4回・8回・12回の総額が全部出ているので、総額÷回数の割り算がそのままできます。
なお、計算式が使えるかどうかには期限の条件もついていて、有効期限を過ぎたら中途解約できないと書いている会社が2社あります。別に読み比べました。
通い放題については、精算の対象になるのは契約書面に書かれた「有償の回数」だけです(国民生活センター)。別に整理しました。
8. 契約前に聞く1つの質問
7社を計算してみて、効く質問は1つに絞れました。
中途解約したとき、「1回当たりの料金」はいくらとして計算されますか。契約書面のどこに書かれますか。
この1つで、
- 総額(分子)
- 1回あたり(分母)
- 書面のどこを見ればいいか
が同時に出ます。回数制でもフリーチョイスでも通い放題でも、同じ質問が使えます。
そして答えを書面でもらうことです。口頭の説明は、解約の場面で引けません。カウンセリングで契約しないで帰るための準備に、見積もりの頼み方を書きました。
キャンセル料と遅刻の規定は7社ぶん並べた記事にあります。キャンセル料0円でも1回消化する会社があるので、ここも精算の回数に効きます。
まとめ
- 中途解約の式は法律で1つ。受けた分の対価+(20,000円か残額の10%の低いほう)が請求の上限
- 7社のうち計算できたのは3社(RBL・ディオーネ・RINX)。1社(dats!)は精算そのものが発生しない
- 残り3社は「1回当たりの料金」が公式サイトから決まらない。部位で単価が変わる/総額の記載がなく時間制/通い放題で割る回数がない
- 公式が計算式を書いているのはRBLだけで、「購入時における1回当たりの料金×消化回数」と明記
- RBLのヒゲ5回は1回受けてから解約したほうが176円多く戻る。総額20万円以下のコースでは逆転が起きる
- ジェイエステの40回99,000円は、1回2,475円で計算するかLパーツ4,290円で計算するかで10回時点の差が18,150円
- 聞くべきは1つ。「1回当たりの料金はいくらとして計算されますか」
式は1つなのに、入れる数字が出てこない。それが7社ぶん計算して分かったことでした。
8社目として、レグルスゼロも「1回あたりが決まる」側に入ります。部位別は総額20万円未満なのでつねに残額の10%側、全身6回だけが20,000円側という、1社の中で式が切り替わる例でした。
出典と取得日
各社の記載は2026年10月6日〜7日に公式サイトで確認しました。
- roland-bl.jp 特定商取引法に基づく表記:精算金と解約損料の計算式/まるごと全身3回255,200円・1回85,068円/ヒゲ5回70,800円・1回14,160円
- datsumousalon-dione.jp:よくある質問の中途解約の記載/まるごと全身脱毛12回435,600円・1回36,300円
- mens-rinx.jp:ALL全身14部位3回178,000円
- datsumou-dats.com:最低利用期間なし・解約金違約金なし/20日・21日の締め日
- j-esthe.com:全身フリーチョイス40回脱毛40回99,000円/Sパーツ・Lパーツの回数別単価
- dandy-house.co.jp:コース料金「お一人お一人異なります」/美容電気脱毛60分24,200円/入会金2年間有効33,000円
- happyrinrin.com:2026年10月キャンペーンの通い放題プラン
- 中途解約時の上限額、特定継続的役務提供の対象要件:消費者庁の公表資料/通い放題の精算事例:国民生活センターの公表資料
計算はいずれも公式サイトに出ている金額と法律の上限によるもので、実際の精算は契約書面の定め方によります。この表は「これ以上は請求されないはず」という上限の目安です。比較サイト・まとめサイトは使っていません。料金と条件は変わります。この記事の見直しは毎月中旬に行います。
この記事は公式サイトに出ている条件と法律の上限の整理で、施術の効果について述べたものではありません。精算でもめたときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。